零くんがいつもお祈りしていた出窓に向かうと、そこから淡い夕陽が差し込んでいた。
そこはクロウさんが心臓を隠し置いた場所―――
『これぞ人生!』
きっとクロウさんは零くんに生きる意味を教えたかったんだね―――
バサバサっ
ふいに真っ黒な羽をばたつかせて、一羽のカラスが飛んできて、出窓の木枠に止まった。
「わっ」
あたしは思わず零くんにしがみつくと、
「ただのカラスだよ」と零くんはちょっと笑った。
うーん…ただのカラスだとしても、やっぱりちょっと気味悪いのは、あの真っ黒な羽のせい??
でも…
小さく首をかしげているように見えるカラスを見ると、何だか愛嬌があるってのかな。
あんまり怖くは感じなかった。
そのカラスは、カラスにしては珍しい目の色をしていた。
透き通るような青い、青い―――ビー玉みたいなきれいな瞳。
真っ黒な羽がタキシードのように見える。(タキシードって言ったら普通ツバメだけどネ)
なんて思ってると、カラスのくちばしが僅かに開いて、
「やぁアスミ♪せっかく戻れたのに、早速出戻りかい??♪それとも私が恋しくなった?♪」
か、カラスが喋った!?
って、そんなわけな~~~い!!
もうホラーは十分だよ!
ってかこの声っ!!!
「「クロウさん!?」」
あたしと零くんは声を揃えて、思わず身を乗り出した。



