あの豪華なダイニングルームも、あたしたちが使っていたお部屋も
図書館みたいな書庫も。
全部、全部―――あたしたちが生活していた場所のまんま。
今にも
「おかえりアスミ、レイ」とクロウさんが笑顔で出迎えてきそうな…
いや、『おかえり』って言われて『ただいま』って戻るわけにはいかないんだけどね。
「ねぇ零くん、零くんは最初から知ってたの?クロウさんがひいおじいちゃんだって」
「最初は半信半疑だった。クロウなんて名前は俺も知らなかったし。
でも、何て言うか他人には思えなくてさ~」
まぁ、あの不思議っぷりは他人って方がおかしいよね!
「だけどあのひと“私の屋敷”って言ったし、
ヘンリーさんの日記を見つけたときはちょっと混乱したけど、
だって病気で亡くなったって聞いてたから。
でも最後の最後で全部繋がった―――
クロウさんは俺のひいじいさんで、その想い人ユウキさんが
君のひいおばあさんだったてね。
何の因果だろう」
因果―――…かぁ。
きっとクロウさんとユウキさんの叶えられなかった想いがこうして残って、あたしたちを結び付けたんだよ。
まるで呼び寄せられるように
まるで引きずられるように―――
100年以上の時間を経て
それぞれの家系を築き上げて、
あたしたちが生まれたのもきっと
ここで大切な人と出逢うため。



