あたしの足は扉の向こう側に踏み出さなかった。
踏み出せなかった。
見えない壁に阻まれているかのように、手も足も…一歩も外に出ることが出来ない!!
何で!?
「無駄だよ。俺もさっき試したけど、この家の外に出ることはできなかった」
零くんがため息をついて、あたしの背後に立つ。
「…ど、どうして…?」
こんな至近距離で立たれると、心臓がドキドキ鳴るよ…
やっぱあたし、零くんのこと好きみたい。
っても、あたしその心臓の音しないんだけど。
「何でか理由は分からない」
と、零くんはあっさり。
何っで、そんなに冷静なのよ!
何かここから出る方法…考えて思いついた。
「そうだ!ケータイ!!ケータイで助けを求めたらどうだろう!」
だけどそれにも零くんは首を振った。
「残念だけど、ケータイなんかの荷物は全部手元にない」
「ないって、どうして!」
あたしが勢い込むと、
「さぁ、知らないけどない。だけど君の生徒手帳はあったよ?南中なんだね。妹と同じ中学だ」
なんて零くんはのんびり。
あたしの生徒手帳―――…?



