あまりのスピードにあたしは絶叫。
恥ずかしいのと嬉しいのを感じる以上に、怖かった。
思わず零くんにぎゅっと抱きつくと、
ストンっ
零くんはあたしを抱えたまま、両足できれいに着地した。意外にも運動神経が良いようで。さっすが零くん♪
だけど
「“死ぬ”って、もう半分死んでるじゃん」
相変わらずマイペース。
「ごめんね、怖い思いさせて」
でも
いつも優しい零くん。
零くんはあたしを心配そうに覗き込んでくる。
あたしは恥ずかしいのやら嬉しいのやらで、まともに零くんの顔を見られなかった。
いや、ドキドキしてる場合じゃないよ。とりあえずこの洞穴を調べないと!
と、言うわけで
上を見上げると、天井の板の間から僅かに光が漏れていた。
よく見ると、高さにして20mぐらいの穴ってことが分かった。
あたしたちが着地したのはむき出しの柔らかい土の上。
こないだは気付かなかったけれど、洞穴は大きな一本の道のようになっているようだった。先が暗くて見えない。
シュボっ
零くんがライターの火をつけると、少しだけ周りが明るくなった。
零くんが一緒に居てくれたから、この前みたいに怖くなかったけど。
「ってか零くん?そのライターどうしたの?まさか零くんの…」
「違うよ。クロウさんが使ってたものだ。ちなみに霊体だけじゃなく、この屋敷にあるものは全て物を貫通させることができるみたいだね」
と零くんは冷静。
零くんの持ったライターの炎は風もないのに、さっきから大きく揺らめいている。
それが何だか―――薄気味悪かった。



