ブリトニーさんは頭蓋骨で遊ぶのを諦めたのか、あたしをどこかへ案内してくれている。
「ミスタークロウを探してるんでしょ?」
あたしはブリトニーさんの質問なんてまるで耳に入らず、無意識に彼女の後をついていった。
「あら、噂をすれば何とやらよ。ほら、アスミ。ミスタークロウに会いたいって言ってたじゃない」
と、いつの間にか辿りついていた小さなお部屋の前でブリトニーさんは、ずいっとあたしの背中を押した。
ってか会いたいなんて一言も言ってませんけど。
クロウさんはアンティークなデスクの前で背中を向けてごそごそと何かをしている。
その手に握られていたのは…
「クロウさん、また零くんのセラヴィを隠そうとして、零くんに怒られますよ?」
あたしが声を掛けると、クロウさんはびくっと肩を揺らしてゆっくりと振り向いた。
何て言うか―――
この人、怖いときもあるけど、それは本当に1%ほどで、残り99%は
変な人。
だからかな
今はちっとも怖くない。
クロウさんは悪戯が見つかった小さな子供のように慌ててセラヴィを背中に隠すと、
「やあアスミ、おはよう。おはよう、カトリーヌ」
と慌てて笑顔を浮かべた。
「カトリーヌって誰よ」
あたしの隣でブリトニーさんが、むっと顔をしかめて腕を組む。
「!」
クロウさんがびくっと肩を震わせて、
「…しまった、私としたことが第四夫人の名前を誤って口にしてしまうとは…」
とブツブツ。
…第四夫人。
ってかそんなに奥さん作ってどうするつもりよ!



