*+桜+*


せっかく明莉に許してもらって残りの日もいることができたのに、気まずくって陽くんとは全然話せなかった。

夏休み中に陽くんに会うこともなかった。

あっという間に時間は過ぎて、木の葉が色づき始めてきた。



自分でも分からないけど、身体が勝手に動いてた。

陽くん、怒ってたと思う。

いきなりキスするなんて最低だよね。

だけど、あのとき陽くんは「桜」って言った。

好きな人に名前を呼ばれるのってすごく幸せなことだと思う。