陽くんは忘れちゃってるよね。

今から3年前、丁度あの日もこんな風に、桜の花びらが風に舞っていた。

「大丈夫か?」

そぅ言って差し出された手。

その手に付けられていた時計が太陽に反射してキラキラしてた。

涙で視界がぼやけていたけれど、桜はこの手を放してはいけない、そぅ思った。