「桜の心臓、普通よりちょっと弱いんだって」 さーちゃんがぽつりぽつりと話し出す。 「血液が十分に身体に回らないの。それで肺も弱くなっちゃって、時々苦しくなるの」 オレは夏の海でのことを思い出していた。 「7歳の時に病気がわかったの。それからはずっと入退院を繰り返してて。人生の半分くらいは病院で過ごしてると思う」 オレは黙ってさーちゃんの話に耳を傾けた。 「だから学校に行くことがすごく楽しくて。恋なんかできないって思ってたのに好きな人もできた」