俺様王子の初恋





「 サボってんの? 」




カーテンを開けた彼と
目が合って、ぶんぶん
首を横に振ったら、
ふっ、と小さく笑った彼が
ベッドに腰掛けた。




「 葵? 」









なんでだろう。
先生に”大丈夫”って言われて
抱きしめられたときより、





「 何かあった? 」





名前を呼ばれたほうが
安心する。





「 泣いてんの? 」


「 たい、がっ・・・ 」





名前を呼んだときに
来てくれたって一瞬
すごくほっとした。