俺様王子の初恋





「 失礼します 」




”誰もいませんように”
そう思ってドアを開けると
予想通り、先生の姿はなかった。




見たところ生徒もいない。
保健室は日当たりもいいし暖かい。




手に持った袋をぎゅ、と握って
ベッド周りのカーテンを閉める。
誰かが入ってきてもこれなら
多分、開けられない。




ベッドの上に衣装を出してみて
絶句した。




胸元のフリルに触れて
後から落ちてきたリボンを
手に取ってどこにつけるのか
頭を抱えた。




短すぎるスカートの丈と
ニーハイソックスを交互に
見て、目が眩んだ。





何でもっと嫌だと言わなかったんだろう。