「 何してるの? 」
開いたドアの隙間から、
手が伸びてきて
「 衣装合わせにしては、
ちょっと激しいんじゃない? 」
私の肩を掴んでいた手を払う。
入ってきた人を呆然と見ていたら
背中に手が回されて、抱き寄せられた。
『 怖かったね?もう大丈夫だから 』
背中を撫でられて、耳元に響く
小さな声がくすぐったくて
思わず眉を寄せた。
『 泰雅じゃなくてごめんね? 』
突然出てきた彼の名前に驚いて
顔を上げると、”1人で衣装合わせ
できるよね?”って微笑まれて
何度か頷いたら、更衣室から出してくれた。

