俺様王子の初恋





耳を這う彼の舌が熱くて
自分の顔も熱くて。
思わず口を閉じてしまった。




頬に添えられていた手が
下におりていって、
私の首に添えられた。
そんな些細な動きにも
一々心臓は飛び跳ねる。




散々耳で遊んだ彼は口を離して
私の目の前に戻ってきた。




目を合わせることでいっぱいいっぱい。
しばらくして、両手で頬を包まれて
彼の熱で濡れた瞳に見下ろされた。













「 呼べよ、葵 」







さっきまで甘く囁かれていた声は
熱を含んだ低い声に変わって、
彼の目に誘われるように顔を上げた。