「 このまま校内引きずり回してやろうか? 」




”どうする?”




愉しそうに目を細めた彼は
首を傾げて横目で青ざめた
上級生を見た。




─────私に、聞いてるの?




誰に向けられた言葉なのか
彼の言葉に青ざめたのは
ネクタイを掴まれている彼女だけじゃ
なくて、その後ろにいた人たちも
同じように青ざめていた。





「 葵? 」





”答えは?”





私に聞いていたらしく、
彼の目が私を捕えた。
答えを催促されたものの
予想を遥かに超えた彼の行動と言動に
うまく声が出なくて、必死に首を横に振った。