先輩に触れられると、 こんなに落ち着くのに、 焦りも、不安も、全てが 消えてしまうのに。 一人になると、どうしようもなく 怖くなってしまう。 「 先輩、どうしたんですか? 」 「 あ?・・・ああ、いや、別に 用はねーよ 」 「 へ? 」 「 何?用がないとだめ? 」 ”そんなことないです”と 私が首を振ると、ふっ、と 小さく笑った先輩が私の首筋に 顔を埋めて、 「 用、か・・・・用、ねぇ? 」 「 先輩・・っ 」 教室の中だというのに、 絡みついた先輩の腕は離れない。