「 行くぞ、葵 」 「 先に、行ってください 」 その瞬間、先輩の手から 鞄二つが落ちてきて ─────────ダンッ・・ 「 お前、何考えてんの 」 玄関の壁に背中をついた私を 阻むように先輩の両腕が私の 顔の横におかれた。 怒っているのは、声で分かる。 だから、顔が上げられない。 「 俺を拒むの? 」 「 ・・・・ッ 」 「 いい度胸してんな? 」 爆発しそうな、自分の気持ちを 必死に押さえながら ”迷惑なんです”と、そう言って 家から飛び出してやろうと 顔を上げた。