「 一之瀬さん 」 彼の肩越しに見える隙間の開いた ドアを見つめながら、 頭だけを働かせていたら 「 待たなくていい? 」 グイッと顎を掴まれて、 視界いっぱいに彼の顔がうつった。 すごく近くて、近いのに 私は全く抵抗をしない。 ・・・・というか、できない。 「 キス、していい? 」 だめ。 頭は働くのに、体が 嘘みたいに動かなくて 怖くて泣きそうになるのに 声はでない。