「夏奈!起きなさい。」
「は?今何時?」
時計を見るといつも起きてる時間から三十分ほど過ぎている。
「母さん朝ごはんいらないから!」
急いで外にでた。
今からだったら余裕。
ま、朝ごはん食べてたら完全遅刻だったけど。
「あれ夏奈?」
「美琴。・・と冬夜、滝人。おはよ」
冬夜と美琴にだけ笑いかける。
「四人で登校なんて久しぶりだね!夏奈いつも出るのはやいから」
たしかにはやいか・・
いや、でも三人が遅いだけだろ。
ん?でも冬夜はいつもはやくなかったっけ?
「夏奈にはやく会いたかったから」
「っ!!人前で言うかそれ!?」
二人の視線バリバリ感じるんですけど・・
このさい冬夜の言わなくてもわかることはスルーして・・・
「なんで手つなぐの?」
「繋ぎたいから」
えーっと昨日からは考えきれないくらい積極的なんだけど・・
なにがあった?
「かわいいね夏奈は」
「はぁ?」
「その反応とか特に」
楽しそうに冬夜が笑うからなにも言えないじゃん。
後ろには美琴と滝人が二人でいる。
思わず冬夜とつないでいる手に力が入った。
冬夜はなにも言ってはこない。
「冬夜!好きだよ」
冬夜を悲しませないように偽りの恋心をつくる。
そしてまた偽りの笑顔をみせるんだ。
滝人を忘れるために・・・・。

