「わっ!これ凄いですね!!」
和香が指差したのは、『お掃除ロボット』
「馬鹿かっ!んなもん買ったらお前を雇う意味がねぇだろ!!」
「あ――、すみません」
結局、俺は和香と一緒にホームセンターに。
なんで俺がこんな買い物に付き合ってんだ?
「洗剤って場所によってぜんぶ別れてるんですね」
「・・・・・・」
ごく当たり前だと思うがな。
「スポンジも色々あるんですね。どれがいいと思います?」
「・・・・・・好きなのにしろよ」
「やっぱり、可愛い色のほうが――」
「馬鹿!色じゃなくて実用重視だろうが!こういう『激落ち君』とか!!」
「あ、そうですね。うん、顔が描いてあって可愛い!」
「・・・・・・」
女って言うのはどんな買い物でも時間がかかる、
なんて当たり前の事を忘れてたのは俺だった。
初日、俺が和香にさせた仕事は
『コーヒーを入れる』
それだけ。


