†穢れなき小鳥の殺し方†


「何って、そのっ、さっき渡されたコーヒーの粉で――、

 入れすぎました?」

「はっ?」


聞き返す俺の声にビクッと肩をすぼませて、


「こういうの、作ったこと無くて」

「・・・・・・」

「どれだけ入れればいいか聞こうと思ったのですが・・・・・・」


俺が邪険にしたからとでも言いたいのか?

いや、そもそもどれだけ入れればいいか分からないって・・・・・・。


「普通にスプーン1杯に決まってんだろ」

「そう、なんですか?」

「・・・・・・」

「作りなおせ」

「はいっ!」


和香は何度もすみませんと言いながら俺からカップを受け取りキッチンへ。

そしてまた湯を沸かすところからやり始める。


インスタントのコーヒーは作ったこと無いって?

きっと飲んだことも無いんだろう。


――ムカつく。