ジャリッとアスファルトを踏みしめる音が聞こえた。 目だけをそっちに向けると、綺麗に磨き上げられた革靴が見えた。 「生きてる?」 その声に視線を上に。 嫌味なほど真っ白なスーツ。 ネクタイはキザだけど落ち着いたピンクで・・・・・・ 一目で『ホスト』ってわかるような容姿の男が、にこにこ笑いながら立っていた。 「生きてるかと思ったら死んでるね」 「・・・・・・生きてるよ」 警察でも呼ぶ気か?