喫茶店を出て店に。


「ほら」


そう声をかけると遠慮がちに俺の腕に絡められる彼女の手。

その指は以前のように手入れはされてなくて――。

俺はクスリと笑ってしまった。


「なに?」

「いや、遥香と飲むのが楽しみだなって」

「・・・・・・ショウ」


彼女が俺の腕に頬を寄せるから、思わず顔を歪めてしまった。


化粧がスーツにつくだろうが。

ったく、

どこまでも馬鹿で、


ムカつく女――