誰がどう見ても『暴行』を受けた痕。 「誰がっ」 思わずそう叫んで彼女の頬に手を伸ばすと、 「――っ」 亀のように身を縮める和香。 当たり前だ。 俺はその手を引っ込めてポケットに戻した。 「・・・・・・誰にやられた?」 暴行を受けたのは一目瞭然。 こんな質問は馬鹿げてる。 けれど、それが分かっていてもこの状況なら誰だって聞くだろう。 そして、和香は身を縮め黙ったまま。 だから俺は、 「相手は誰だ?言えよ」 そう命令した。