客がめっきり減った俺はアフターも無く、

ホスト仲間と飲みに行く気にもなれず真っ直ぐ家に帰る。

給料も少なくなって、俺は電車に乗って帰ることも多くなった。

4月になったが、夜の街は歩いて帰るにはまだ寒い。

コートも持たずにでた自分の馬鹿さ加減を呪いながら肩をすくめてマンションに。

エレベーターを降りて――


「和香・・・・・・?」


ドアの前で蹲る彼女を見つけた。

俺の声は小さすぎて聞こえなかっただろう。

彼女が顔を上げたのはきっと靴音が聞こえたから。


「何やって――」


青白い月に照らされた顔は赤く腫れていた。

こんなに寒いのに彼女はカーディガンにジーンズ、足元はサンダルで。

コートは無くて、

着ているカーディガンのボタンはいくつかなくなっていた。