なんで・・・・・・? そう思ってもその台詞をいうことは出来ない。 ただ見つめる俺に和香はゆっくりと顔を上げて、 「入っても、いいですか?」 いつかと同じ質問をした。 それに俺が持つ選択肢は、 「・・・・・・入れば?」 これしかなくて。 和香はいつもと同じように入ってくる。 カバンを部屋の隅においてマフラーを取る。 それからジャケットを脱いで、 「コーヒー、入れましょうか?」 いつもの台詞を吐いた。