キスもしない、 愛撫も無い、 ただの行為。 彼女の手は俺を突き放すでも掴むでもなく、 ただシーツをきつく握り締める。 シーツに広がった栗色の髪は、 俺の動きに合わせ揺れるだけ。 その行為の間、 和香の唇は固く結ばれままで・・・・・・。 聞こえるのは俺の荒い呼吸音と、 安物ベッドのスプリング音だけ。 最後まで、 夕日に染まった瞳は、 俺を映すことは無かった。