俺の目の前にはまだ身動きでずにいる和香が立ってた。


・・・・・・苛々する。


「もういい」

「――あっ」


俺は和香の手を乱暴に引き寄せた。

崩れそうな体を更に引っ張り俺は立ち上がる。


「あ、あのっ」

「もういいっつってんの」


そう言って掴んだ腕をベッドに向けて振り回した。

安物のスプリングがギシリと嫌な音を立てて、

和香の髪がバサリとシーツに広がる。


「もう、脱がなくていい」


別に服を着てても着て無くてもどうでもいい。

チェックのスカートから真っ白な太ももがのぞく。


乱れた髪の隙間から、

和香の瞳が俺を映した。


その瞳にあるのは、


『驚き』と『恐怖』


これでいい――。