†穢れなき小鳥の殺し方†


「あの、それで今日は何を――」

「とりあえずコーヒー」


苛々する。

その感情をそのまま言葉で彼女にぶつけて俺はソファにドカッと座った。

彼女は昨日と同じようにコーヒーを。


「はい・・・・・・」


小さなガラステーブルにコトリと置かれるマグカップ。

俺は何も言わずそれを手にして口に運んだ。

それから携帯を手にしてメールをチェックして――


「あの・・・・・・」

「なに」

「美味しいですか?」

「・・・・・・普通。インスタントで不味いなんてありえねぇんだよ」

「そう、ですよね。すみません」


そう言って、本当に申し訳なさそうに体を縮めた。


「それで、あの・・・・・」


『あの』って言うのはただの口癖らしい。

まぁ、どうでもいいけど。