「ってか、よくこの家とか分かったな」
「それは・・・・・・、パパが興信所で――」
調べさせたわけだ。
遙香の素行調査。
その中に俺の名前があったってわけで・・・・・・。
「知ってるのは名前だけか?」
「えっ?」
俺の質問に和香は意味も分からず驚く。
そして、
「あ、その、ホストやってるとか、あとこの住所とお店の場所くらいで・・・・・・」
和香が答えたのはそれだけ。
きっと興信所の報告書もその程度だろう。
『相沢』なんて珍しい名前じゃない。
一度くらい聞いたって記憶に残るような名前じゃないかも知れない。
ホント、
ムカつくよ――。


