「久しぶりだな。」
「久しぶり。」

陽が笑顔で挨拶をすれば花菜も笑顔で返した。
高校卒業した時より、陽は大人びていた。

顔は前よりも男前になり、身長も少し伸びた気がした。

「で、相談って?」
「実はさ・・・。」

陽には彼女が居たらしく、その彼女と最近別れたばかりだと言う。
彼女から振ってきたため、陽はまだその彼女の事が好きらしい。

「へえ・・・それで、寄りを戻したいと?」

陽はもじもじした様子でじっと自分の前に置かれているアイスコーヒーを見ていた。
彼の癖だ。何か言いたい事があっても口もごってもじもじしてしまう。

そこは相変わらずのようだった。

花菜はくすっと笑いながら見ていると、陽は思いも寄らない発言をした。


「オレの・・・彼女のフリだけしてくんない?」

衝撃だった。
飲んでいたアイスティーを思わず噴出しそうになった。