あたしはその場から動けなかった


「?由亜はよ帰れよ?」



あたしは新一お兄ちゃんの
腕をつかんだ。



「新一お兄ちゃん…血出てるょ?痛くないの?」



「これくらい大丈夫。由亜は
はよ帰ってくれるだけでいい」



新一お兄ちゃんはあたしの
頭を撫でながら言った。



「新一!!怪我したって聞いた」


新一お兄ちゃんの傍に駆け寄ってきた女の子。



綺麗な人。



誰だろ?



「また喧嘩なんかして」



「男はそういうもん」



「とか言って、腕から血出てる」


そう言って女の子は
ポーチを取り出して
手当をした。



「この人誰?」



佳奈が龍斗くんに聴いた。