ぢゃなくて…



新一お兄ちゃんと龍斗くんだ。



「ちょっと…龍神に妹いるとか
聴いてない。」



「妹?まさか全然似てないし」



女の先輩方はひそひそと
話している。



「早く散れよ」



新一お兄ちゃんの低い声に



先輩方は去っていった。



「新一くん、ありがとう」



パチっパチっ



あたしと佳奈はほっぺたを
押さえた。



新一お兄ちゃんの手の平が
あたしたちにビンタした。
優しくね…



「由亜も佳菜もこの校舎に
来たらあかん。危ないことくらい分かるよな?」



「「はぃ」」



「なら、これからは来るなよ?」



「「はぃ…」」



あたしたちは素直に
新一お兄ちゃんの言う事を聞く。


さっきの新一お兄ちゃん
じゃないことに安心する。



新一お兄ちゃんはあたしたちの
頭を撫でた。



「由亜も佳奈もいい子やし
はよ校舎戻り。」



「はーい」



でもね?



新一お兄ちゃん腕から
血が出てるから。



気になるの。



痛そうだから。