俺が今日から通うM大学は、全国でもそこそこ名の知れた名門私立大学だ。


田舎からの受験ってのもあって、なかなかプレッシャーがあり、もしかしたら浪人するんじゃなかろうか。なんていうことも考えていた。



しかし結果的に、この大学に俺の田舎から受かったのは俺を入れて二人。


そう、去年一浪した、何故か俺の横で講義を受けている、宮田 仁(ミヤタ ジン)である。



「なぁ、ちょっとノート見せて?わからん場所あんのよ」


「そったら事言ってるから一浪すんだべや。ま、お陰で敬語使わんですむし、楽だわ」


「まぁたそったら減らず口叩いて。舐めてたら痛い目見んぞ?」


「……てかいい加減標準語に慣れてくれない?恥ずかしい」



このなまり全開の人が宮田仁。一応、高校の先輩。