すると彼女は、口に手をあててクスクスと笑いだした。
「すいません……なんか面白い名前ですね……」
時々吹き出しながら笑う彼女に俺が覚えた感情。
そう、それはイラつき。
人の名前笑うなんて常識的に有り得ねぇだろ。まぁ俺は大人だし?怒ったりしないけど?そこはちゃんと直して欲しいなぁ。
っていうか、俺の名前のどこが面白いんだよ?起承転結しっかりつけて言ってみろってんだこの野郎。
「あ、すいません。気に障りましたか?」
「いや?全然ですけどぉ?」
「……怒ってますよね?」
「怒ってないですよ?はい。じゃあ失礼します。さよーなら!」
俺は乱暴に一礼し、下の階へと鉄階段で降りていった。
こんな感じで、俺は隣人の美女を大嫌いになった。
女々しいって?知ったことか。
・