やべ。みんな変な風に思ったかな? なんて、焦りながら考えていたら― 手を掴んでいた筈の手は、逆に捕まれていて。 その女子は、自分の鞄と、俺の鞄を持って教室から逃げるように、走っていた。 当然、俺も走らなくちゃ行けなくて、その子と一緒に走るのに必死だった。 校門まで行くと、俺に俺の鞄を渡して何もなかったかのように、歩いていくから、追いかけて 「待って。」 なんて言った。 俺、今日どうしたんだろ? なんて、1人で思った。