俺は、夕方のホームルームを終えた直後、その女子のもとへ向かった。



無意識にその女子の手首を、握っていたらしく、冷たく冷えきった表情で、「離して」なんて言うから、離さなかった。




そしたら、クラスの中で中心に立つ悪ぶった男子―


名前は、田中和仁「カズ」

カズは、冷ややかな目で
「――そいつは


ロボットだ。――」


なんて言うから。



何だか、怒りが立ち込めてきた。


俺は、今まで家族に必要とされず、あげくの果てには軽蔑されていた。


だから、無償に腹がたって、虚しくなって。



怒鳴りあげてしまった。


――あーあ。やっちまった。



クラスのみんなの顔は唖然としていた。


もちろん、その女子も動揺が隠せないみたい。



あれ。気付いたら涙が零れていた。


恥ずかしい奴だな。俺。