後ろを歩く3人も同じだったようで。

「お前……」

「玲君……」

「達富……」

3人の声が被る。
言い訳も何も浮かんでこない。
私は笑ってごまかすしか術が無く。

………放課後となった今でも、その追及は続いているわけで。

「いい加減、その話やめませんか?」

「玲君が全部白状したらやめてあげる」

沙貴にいい笑顔で一蹴された。
優希は遅刻の罰として、休み時間のたびにいろんな教師にこき使われ、現在机とお友達になっている。
不良顔して真面目だと好感度が高い。
弘海はあきらめたようで、帰る準備をしていた。

助け舟を出してはくれないかと視線を送るが、沙貴の一番の味方である彼は敵にまわるだろう。
気付いたらため息が漏れた。

「なぁに玲君。弘海のこと見てため息なんて。いくら玲君でも、弘海は僕のだからあげないよ!」

沙貴は弘海のもとに駆け寄り、腕にぎゅっと抱きつく。
弘海はうれしさに崩れそうになる口元を必死に引き締めていた。

「それでは、僕に大事な弘海がとられる前に部活にいかれてはいかがですか」

「あっ、そうだ部活! いこっ弘海」

「いってらっしゃい」

沙貴は鞄を肩に掛け、弘海の手を引っ張って教室を出て行った。
その背に向けて笑顔で手を振る。

撃退成功。