寮部屋の共同スペースに入ると、ソファーに座る優希の背中に迎えられた。
戸の開閉音に気付いたのだろう彼は、振り返った。
途端、彼の瞳は驚きに見開かれる。
「お前、外にいたのかよ」
「ああ、この辺をちょっと散歩してきた」
いいところも見つけたぞ、と心の中で呟いて。
………おや。
行くときはあんなに優希に教えてやりたいと思っていたはずなのに、今はそんな気持ち、微塵もない。
何故だと内心首を傾けている間にも、優希が軽口をたたく。
「昨日はあんなに寝汚かったお前が、どういう風の吹きまわしだよ。………今日は雪か?」
「5月半ばに雪が降るものか。ここはそんな気候ではないはずだ」
そんな言葉を交わしながら、制服を手に脱衣場に入る。
途中共同スペースを通る際、優希がひとりで騒いでいるのを耳にしたが、聞かなかったことにした。
戸の開閉音に気付いたのだろう彼は、振り返った。
途端、彼の瞳は驚きに見開かれる。
「お前、外にいたのかよ」
「ああ、この辺をちょっと散歩してきた」
いいところも見つけたぞ、と心の中で呟いて。
………おや。
行くときはあんなに優希に教えてやりたいと思っていたはずなのに、今はそんな気持ち、微塵もない。
何故だと内心首を傾けている間にも、優希が軽口をたたく。
「昨日はあんなに寝汚かったお前が、どういう風の吹きまわしだよ。………今日は雪か?」
「5月半ばに雪が降るものか。ここはそんな気候ではないはずだ」
そんな言葉を交わしながら、制服を手に脱衣場に入る。
途中共同スペースを通る際、優希がひとりで騒いでいるのを耳にしたが、聞かなかったことにした。