今日だけでも色々ありすぎて疲れた。
久々にこんな密度の高い一日を送ったな。

朝起きれば優希がいて、食堂では『divine wind』の中枢メンバーを見て。
玲を辱しめようとする教師を返り討ちにし、前の席の沙貴と弘海と仲良くなった。
親衛隊とかいう輩に呼び出されたら、光紀と李白という懐かしい顔に会ったりと。

思い返しているうちに襲い来る睡魔に身を委ねようとした時。
ポケットの中身が震えて、驚いた睡魔が脱兎のごとく逃げ出した。

そういえば、ケータイマナーモードにしたままだったことを思い出す。

出るのも面倒でそのままにしていると、一度切れる。
そしてまた、うるさく震えだした。

電源を切ろうとして取り出したケータイだが、それに写っている名前を見た瞬間、電源ボタンにかかろうとしていた指は通話のボタンを押した。

『よぉレイ、生きてるか？』

向こう側のざわめきとともに聞こえてきたのは、不良のような大人の男の声。
遠くの方では『レイさんと連絡ついたんスか』と少年たちが騒ぐ。

『familiar』が溜まり場としている喫茶店のマスターと、不良チーム『familiar』のメンバーだ。
もう皆が集まっている時間だったか。