云えないコトノハ

私とコウとシロは、私の住んでいた地域にある『familiar』という不良チームに所属している。
総長は私が、副総長はコウが務め、シロは幹部という地位にある。
不良チームと言えば聞こえが悪いが、活動内容は有志の青少年による自警団と言ったところか。
たまたま結成当初に荒くれものが集まった為、不良チームとしての認識が強いだけ。
そんな彼らも今は立派に更正して、ただの騒がしい奴らとなった。

そんなチームには、昼と夜の干渉を禁ず。
つまり、チームでのことを日常に持ち込まないというルールが存在する。
総長や副総長とて例外ではない。
だから、今の今まで通っている学校なんて知らなかった。

「だが、これは明らかに規則違反だろう」

周囲に、実は不良だと知られたくない人のための規則。

「まあまあ、いきなり達富がレイに変わっていたんだ、驚くだろう。それに今回は双方が許したって事で、な?」

『レイ』は『familiar』での私の名前。
『麗』を音読みで『レイ』
我ながら単純だ。

「別に構わないが……」

『familiar』が切っ掛けで、昼の友人が増えたなんて例、いくらでもある。
あの規則は友人関係を制限するものではなく、昼に『familiar』関係の話を持ち出すな、という単純なものだ。
逆もまた然り。