「あの橙髪のことか」

「ああ。入学当初から玲はよく不良に絡まれていて、生徒会と風紀に面識があるからな。といっても、いまだに絡んでくるのはあいつだけだ」

「ふぅん。玲はかわいい顔してるから、助けてくれた生徒会と風紀には感謝だな」

私が思ったことを口にすれば、彼はさもあきれたという目を向けてくる。

「言っておくが、玲を追っかけまわした奴らの筆頭が生徒会だぜ」

「うそ……」

あまりに予想外なことで、驚きを隠せない。
生徒会は普通、生徒を守るものだろう。

「風紀の奴らが所属しているチームの総長に、玲が似てたらしい。迷惑な話だぜ」

彼の言葉が、私の動きを止めさせた。

「ああ、そうそう。言い忘れていた」

それから彼が話し出したのは生徒会のこと。
金髪がdivine wind総長で生徒会会長、風神威士(かぜかみたけし)。
長髪が副総長で生徒会副会長、氷見美裕(ひみみゆ)。
橙髪が幹部で生徒会会計の黄金井朔弥(こがねいさくや)。
黒髪が同じく幹部で生徒会書記やってる桐ヶ谷狼蒼(きりがやろうそう)。
全員、私たちとは1個上の2年らしい。

その他細かい彼の説明を聞き流し、生徒会と風紀委員会に抗議しに行くことを考えていると、それを察したらしく、バカなことはするなと釘を刺された。

「生徒会と風紀委員会は、この学校で理事長の次に権力をもってる。逆らうと厄介だ」