先輩たちがくすくすと笑いながら去っていくと、
茉莉は私のほうを見た。
「なんか言われてたよね?」
「え? あぁ、うん」
「なんて?」
「えーと、なんか部活サボリとか…
先輩の伝言ってことは吹奏楽の先輩が
私のことなにか言ってたのかな」
首をかしげて言うと、
「…なんでそんなこと言われて平然としてるのよ!」
茉莉が怒鳴った。
「え…だって、…いつものことだし」
「いつものことって何」
「だって、だから、慣れてるし…茉莉?」
「なんで慣れるのよ!
そんなこと慣れないでよ!」
「ちょっちょっと、茉莉?」