「ねぇねぇ」

「ちょっといい?」

廊下で見知らぬ人たちに声をかけられる。

学年章の色からして2年生か。

「…なんですか?」

できるだけ声に震えが混じらないように気を付けて聞く。

直感が告げていた。

この人たちは私に好意を持ってはいない、と。

むしろ、なんていうか…

「中垣さんだよね」

「ねぇ、何部?」

「…吹奏楽です」