「わかった」

「ごめん…」

「別に。話したくなったらいつでも聞くから」

「うん、話したくなったら言う」

「それよりさぁ、今日の古典の予習の範囲って…」

茉莉は素早く話題を変える。

突っ込んでこないんだ…

踏み込み過ぎないこの距離がちょうどいい。

何でもかんでも土足で踏み込んでこない

この距離が一番安心できる。