パッとドアが開いた。

まだ学校の近くの駅じゃない。

だけど、何も考える暇もなく、走り出た。

ドアが閉まって電車が私を置いて発車する。

「はぁ…はぁ…」

気が付くと汗びっしょりだった。

呆然と電車が去って行ったホームを見る。

怖い…

そう思ってから愕然とする。

私、なんにも変わってない。

なんにも変われてない。

中学の時と同じで、弱いままだ…

ただ幹を見かけただけでこんなに動揺している。

まさか、まだこんなに動揺してしまうなんて…


私なんか、私なんか…


「なんにも、変われてないじゃない…ッ!」