「でもさ、」

茉莉は続ける。

「それって私だったらできるかなって…

…うん、多分無理。

だからさ、いっつも思う。

この子すごいなって。頑張ってんだなって」

「!」

「この間、病気の話聞いて余計思った。

…あんた、同じ部活の人に陰口叩かれてるでしょう、

休みすぎだ、どうせサボリだろって」

「ぅえ!?気付いてた?」

「当然。でもさ、それだって病気のこと話せばおさまるじゃん。

なのに特別あつかいされたくないって黙ってる。

本っ当にこの子すごいなって。

お世辞とかじゃない。本当にそう思う。

ひかりのそういうとこ、見習いたい。」

「ま…り…」

「だぁから!無理しすぎるな!十分頑張ってるから…ほら、ついた」

保健室に到着した。

「茉莉」

「?」

「いつもありがとう」

「何を今さら」

茉莉は当たり前のようにそう言った。