どうせお父さんには何もわからないよ! だって何にもわかろうとしてないじゃない! お母さんのために私を堂々と犠牲にしてくれるよね。 本当につらいのに!苦しいのに! きっと出て行ったらまた何か言われるんだろうな。 ぐるぐるとした思いがあふれて泣きそうになる。 「~っ」 絶対泣かない。 こんなことで泣いたら涙がもったいない。 ふっと魔がさす。 気が付いたら、右手に定規を持っていた。 ダメ! そう思うのに。 ガッ 定規を左手首に振り下ろした。