「へぇ…」
「少ない病気じゃないんだよ。
思春期の子の1割はその気があるらしいし」
幹に話した時のことを思い出す。
同じことを言った。
そしたら幹は…
そう、うつったりしないのかって、
そればっかり気にしてた。
「低血圧ってどれくらいなの?」
「三桁いかないよ」
「薬とかは?」
「病院からとかなら出てないよ。
私はそこまで重症じゃないし、あと、先生の方針。
ビタミン剤とか、栄養剤は飲んでるけど」
「そっかぁ…大変だね」
茉莉はいつもと同じような調子で答えた。
「他の人には言わないでくれるとうれしい。
特別あつかいされたくないから」
「ふぅん?別に言いふらしゃしないよ」
茉莉なら大丈夫。
思った通りだった。
よかった…
胸の支えがすっと溶けた気がした。
