「まあ、『みんなちがってみんないい』っていうし」 茉莉が言う。 いつも通りの声。 「え?」 いつもと変わらない表情。 「無理しない程度にがんばればいいんじゃないの?」 こんな暗いこと言ってるのに。 茉莉はいつもの会話と同じように返答してくる。 「そ…か」 「そうだよ」 茉莉は当たり前のように言う。 「だいたい、少なくとも私は迷惑とか思ってないから」 「え…」 茉莉は肩をすくめる。 「我慢される方が迷惑。 具合悪くなったら早く言って。 こっちが生きた心地しないから」 「茉莉…」