Come back !! じいちゃん

僕らは、家に帰った。
　
「陽一、アンタどこ行ってたの！全く夕飯なんてないわよ。」
　
あぁ、そういうことね。
　
「陽一や、イールの人形をわしの骨の前まで行ってくれるか。」
　
「え？う、うん。」
　
僕はイールの人形を手に取り仏間へと移動した。
　
「イールはな。」
　
「…？」
　
「イールは、冥界の願いを叶える神様じゃ。死者の願いを叶えてくれる。」
　
「死者の願い事。」
　
「そう、わしはな戻ってくる前にイールにお願いをしたんじゃよ。」
　
じいちゃんの願い？死んでるのに？
　
「なんて？」
　
「ふむ。陽一に勇気を与えてうださいってな。」
　
「勇気…？」
　
「そう、勇気じゃ。わしがおらんでも頑張れるようにってな。」
　
「…。」
　
「陽一や立派じゃったぞ。たとえ、結果がフラれたとしてもな。これでわしも安心して向こうで暮らせるよ。」
　
「…じいちゃん。」
　
「陽一、勇気じゃぞ？忘れるなよ。おっと、そろそろ行かないとな。」
　
「じいちゃん。ありがと。無事に天国へ戻れることを祈ってるよ。」
　
っていうか。Come back !! 戻ってください。じいちゃん。
　
「じゃあの！」