だからこそ、私は優衣とこうして友達を続けられる。

どうせ私なんか、と初めから諦めているくせにプライドはいっちょ前に妬むだけのつまらない女よりは、よっぽど強く好感が持てる。

まぁ、かといっていつも迫ってくる優衣のメイク講座には、ほとほと余計なお世話だと感じずにはいられないが。

「あっそ。私には関係ないし、興味もない」

「小夜は恋愛よりも、勉強だもんねー」

いつものぶりっ子精神はどこへやら、優衣はつまらなそうに目を細めて、両足をバタバタと上下させている。

恋にうつつを抜かすなんて、私のキャラじゃないでしょうに。

「勉強もいいけどさ。たまにはオシャレしてー、男と遊んでー、女磨いた方がいいよぉ?気付いたら冴えない独身女とか、私だったら堪えらんない!」

「確定したように言うな」

「えー、だって見るからにそういう人生送りそうじゃん」

「私は、負け犬にならないために、こうして勉強してるの!将来はバリバリのキャリアウーマンなんだから」

バンッと手の平を床につけて勢いよく起き上がる。

拍子に優衣が、キャッと可愛らしい声を上げてすっ転んだ。

ざまぁみろ。